文学部では、人間の営みや行動そのものにスポットをあて、社会の最小単位である「個人」のあるべき姿を研究し、豊かな人間観を築くことが最大のテーマとなります。
研究対象は、文学表現の手段として用いられる「言葉」や人類が過去に歩んできた「歴史」、地形風土などの「地理」、人類がよりよく生きるための「思想」などが主となります。文学部の学問は社会の変化によって簡単には変化せず、昔から続いているものが多いようです。そのため、深い思索や想像力を大切にする学部だと言えます。文章を読んだり書いたりするのが好きな人あるという、人間が今までどのように生きてきたかに関心がある人にとっては、その好奇心を満足させてくれることでしょう。
学系紹介
文学系
文学では、社会学や歴史学などの周辺分野の知識を用いて日本や諸外国の文学作品を文化的背景など様々な角度から研究します。文学に取り組むには幅広い分野の学習を通じて形成された教養を基礎として研究課題にアプローチする姿勢が大切です。文学分野を代表する伝統的な学科として、文学科、国文学科、日本文学科、英文学科があります。このほかに、文学を研究する上で語学学習が欠かせない事から、日本語日本文学科、英語英文学科など、文学と語学を統合した学科も多く見られます。さらに、文学作品研究だけではなく、言語・文化コミュニケーションの側面も含めた言語文化学科、英語コミュニケーション学科、人文学科、人文社会学科などでも文学分野の研究を行うところがあります。文学系は研究対象が広いため、大学によってあまり扱わない分野・時代が出てくる場合があります。
哲学系
哲学、人間学、思想文化科学などの学科をまとめて哲学系と呼びます。多くの大学では、哲学を西欧哲学と東洋哲学にわけています。哲学とはどのようなものかという概論、哲学や思想の歴史などを学び、世界や学問・思想について、その中心となる原理や本質を見つけて再構築し体系化します。また、それらの根源的な意味について自分の力で考え、人間がよりよく生きる道を探求するために哲学を学びます。最近では「人とは何か」「心のより所とは」など心の内面を見つめ直そうという動きが起こっています。このような時代の流れを背景に、哲学は思想の問題として研究するだけではなく、医学や心理学、あるいは生物学、教育学、社会学などとの連携を深めつつあります。
歴史・地理学系
史学を学ぶということは、過去と対話して現在の我々を時には批判的に見つめ直し、将来を展望する作業ということです。ただ覚えることではなく「文献や資料を理解し、それらに対する考察を深め、その時代の社会や生活のイメージを組み立てる」ことが重要になります。史学系の研究分野は日本史、東洋史、西欧史、考古学に大きく分かれます。資料や文献を解析するのには語学力が必要となっています。地理学は風土や産業、交通、気候などについて地域ごとの特性を研究する分野です。政治、経済、文化などの人間活動という点から各地域について研究する「人文地理学」、地形や気候などが人間に与える影響を考える「自然地理学」、限定された地域を対象に、人文と自然の両方から研究する「地誌学」の3分野に分類できます。
心理学系
心理学は心の動きを科学的に研究し、様々な社会現象を解明して人間の抱える問題を解決しようとする学問です。人の心や行動の法則について学び、人の心を幅広く理解するために、動物の行動や人の脳の働き、さらには心の不調に陥った人の心理、心や行動の不調を修正する方法についても学びます。行動については様々な実験方法で客観的に、そして厳密に測定され、多くの場合行動は何らかの指標に置き換えられ、数量化され、しばしば統計的方法で分析されます。現代心理学の最大の特徴は、心のはたらきについてのデータを科学的な方法で集め、分析し、心や行動の現象を正確に記述し、その法則性を明らかにしようとすることです。このように統計やデータの読み取りなどが多いので、どちらかといえば理系に近い学問となっています。
主な大学・学部学科一覧
文学系
大学 | 学部等 | 学科等 | 専攻等 |
東京大学 | 文学部 | 人文学科 | |
京都大学 | 文学部 | 人文学科 | 東洋文化学系 |
西洋文化学系 | |||
大阪大学 | 文学部 | 人文学科 | 日本文学・国語学専修 |
比較文学専修 | |||
中国文学専修 | |||
英米文学・英語学専修 | |||
ドイツ文学専修 | |||
フランス文学専修 | |||
神戸大学 | 文学部 | 人文学科 | 国文学専修 |
中国文学専修 | |||
英米文学専修 | |||
ドイツ文学専修 | |||
フランス文学専修 | |||
言語学専修 | |||
芸術学専修 | |||
奈良女子大学 | 文学部 | 言語文化学科 | 日本アジア言語文化学コース |
ヨーロッパ・アメリカ言語文化学コース | |||
京都府立大学 | 文学部 | 日本・中国文学科 | |
欧米言語文化学科 | |||
大阪市立大学 | 文学部 | 言語文化学科 | |
慶應義塾大学 | 文学部 | 人文社会学科 | 国文学専攻 |
中国文学専攻 | |||
英米文学専攻 | |||
独文学専攻 | |||
仏文学専攻 | |||
上智大学 | 文学部 | 国文学科 | |
英文学科 | |||
ドイツ文学科 | |||
フランス文学科 | |||
早稲田大学 | 文学部 | 文学科 | 日本語日本文学コース |
中国語中国文学コース | |||
英文学コース | |||
フランス語フランス文学コース | |||
ドイツ語ドイツ文学コース | |||
ロシア語ロシア文学コース | |||
演劇映像コース | |||
教育学部 | 国語国文学科 | ||
英語英文学科 | |||
同志社大学 | 文学部 | 国文学科 | |
英文学科 | |||
立命館大学 | 文学部 | 人文学科 | 日本文学研究学域 |
東アジア研究学域 | |||
国際文化学域 | |||
コミュニケーション学域 | |||
関西大学 | 文学部 | 総合人文学科 | 英米文学英語学専修 |
国語国文学専修 | |||
フランス学専修 | |||
ドイツ学専修 | |||
中国学専修 | |||
英米文化専修 | |||
関西学院大学 | 文学部 | 文学言語学科 | |
京都産業大学 | 文化学部 | 国際文化学科 | 文学・芸術コース |
龍谷大学 | 文学部 | 日本語日本文学科 | |
英語英米文学科 | |||
近畿大学 | 文芸学部 | 文学科 | |
京都女子大学 | 文学部 | 国文学科 | |
英文学科 | |||
同志社女子大学 | 表象文化学部 | 英語英文学科 | |
日本語日本文学科 | |||
甲南女子大学 | 文学部 | 日本語日本文化学科 | |
英語文化学科 | |||
神戸女学院大学 | 文学部 | 英文学科 | |
総合文化学科 | |||
武庫川女子大学 | 文学部 | 日本語日本文学科 | |
英語文化学科 |
哲学系
大学 | 学部等 | 学科等 | 専攻等 |
東京大学 | 文学部 | 人文学科 | |
教養学部(後期課程) | 学際科学科 | 科学技術論コース | |
京都大学 | 文学部 | 人文学科 | 哲学基礎文化学系 |
東洋文化学系 | |||
基礎現代文化学系 | |||
総合人間学部 | 総合人間学科 | 人間科学系 | |
認知情報学系 | |||
国際文明学系 | |||
文化環境学系 | |||
自然科学系 | |||
大阪大学 | 文学部 | 人文学科 | 哲学・思想文化学専修 |
倫理学専修 | |||
中国哲学専修 | |||
インド哲学専修 | |||
神戸大学 | 文学部 | 人文学科 | 哲学専修 |
芸術学専修 | |||
奈良女子大学 | 文学部 | 人間科学科 | 教育学・人間学コース |
大阪市立大学 | 文学部 | 哲学歴史学科 | 哲学コース |
慶應義塾大学 | 文学部 | 人文社会学科 | 哲学専攻 |
倫理学専攻 | |||
美学美術史学専攻 | |||
上智大学 | 文学部 | 哲学科 | |
神学部 | 神学科 | 神学系 | |
キリスト教倫理系 | |||
キリスト教文化系 | |||
早稲田大学 | 文学部 | 文学科 | 哲学コース |
東洋哲学コース | |||
同志社大学 | 神学部 | 神学科 | |
文学部 | 哲学科 | ||
立命館大学 | 文学部 | 人文学科 | 人間研究学域 |
関西大学 | 文学部 | 総合人文学科 | 哲学倫理学専修 |
比較宗教学専修 | |||
芸術学美術史専修 | |||
関西学院大学 | 文学部 | 文化歴史学科 | 哲学倫理学専修 |
美学芸術学専修 | |||
神学部 | キリスト教思想・文化コース | ||
キリスト教伝道者コース | |||
京都産業大学 | 文化学部 | 国際文化学科 | 歴史文化コース |
龍谷大学 | 文学部 | 歴史学科 | |
哲学科 | |||
真宗学科 | |||
近畿大学 | 文芸学部 | 文化・歴史学科 | |
甲南大学 | 文学部 | 歴史文化学科 | |
京都女子大学 | 文学部 | 史学科 |
歴史・地理学系
大学 | 学部等 | 学科等 | 専攻等 |
東京大学 | 文学部 | 人文学科 | |
教養学部(後期日程) | 学際科学科 | 地理・空間コース | |
京都大学 | 文学部 | 人文学科 | 歴史基礎文化学系 |
行動・環境文化学系 | |||
基礎現代文化学系 | |||
大阪大学 | 文学部 | 人文学科 | 日本史学専修 |
東洋史学専修 | |||
西洋史学専修 | |||
考古学専修 | |||
人文地理学専修 | |||
日本学専修 | |||
美術史学専修 | |||
神戸大学 | 文学部 | 人文学科 | 日本史学専修 |
東洋史学専修 | |||
西洋史学専修 | |||
地理学専修 | |||
美術史学専修 | |||
奈良女子大学 | 文学部 | 人文社会学科 | 古代文化学コース |
歴史学コース | |||
社会情報学コース | |||
地域環境学コース | |||
文化メディア学コース | |||
京都府立大学 | 文学部 | 歴史学科 | |
大阪市立大学 | 文学部 | 哲学歴史学科 | 日本史コース |
世界史コース | |||
人間行動学科 | 地理学コース | ||
慶應義塾大学 | 文学部 | 人文社会学科 | 日本史学専攻 |
東洋史学専攻 | |||
西洋史学専攻 | |||
民族学考古学専攻 | |||
上智大学 | 文学部 | 史学科 | |
早稲田大学 | 文学部 | 文学科 | 美術史コース |
日本史コース | |||
アジア史コース | |||
西洋史コース | |||
考古学コース | |||
中東・イスラーム研究コース | |||
教育学部 | 社会科 | 地理歴史専修 | |
同志社大学 | 文学部 | 文化史学科 | |
グローバル地域文化学部 | グローバル地域文化学科 | ||
立命館大学 | 文学部 | 人文学科 | 日本史研究学域 |
東アジア研究学域 | |||
国際文化学域 | |||
地域研究学域 | |||
関西大学 | 文学部 | 総合人文学科 | 日本史・文化遺産学専修 |
世界史専修 | |||
地理学・地域環境学専修 | |||
関西学院大学 | 文学部 | 文化歴史学科 | 地理学地域文化学専修 |
日本史学専修 | |||
アジア史学専修 | |||
西洋史学専修 | |||
京都産業大学 | 文化学部 | 国際文化学科 | 思想文化コース |
龍谷大学 | 文学部 | 仏教学科 | |
近畿大学 | 文芸学部 | 文化・歴史学科 | |
甲南大学 | 文学部 | 歴史文化学科 | |
京都女子大学 | 文学部 | 史学科 |
心理学系
大学 | 学部等 | 学科等 | 専攻等 |
東京大学 | 教養学部(後期課程) | 統合自然科学科 | 認知行動科学コース |
文学部 | 人文学科 | 心理学専修課程 | |
社会心理学専修課程 | |||
教育学部 | 総合教育科学科 | 心身発達科学専修 | |
京都大学 | 教育学部 | 教育科学科 | 現代教育基礎学系 |
教育心理学系 | |||
文学部 | 人文学科 | 行動・環境文化学系 | |
大阪大学 | 人間科学部 | 人間科学科 | 行動学科目 |
教育学科目 | |||
神戸大学 | 文学部 | 人文学科 | 心理学専修 |
国際人間科学部 | 発達コミュニティ学科 | ||
子ども教育学科 | |||
奈良女子大学 | 生活環境学部 | 心身健康学科 | 臨床心理学コース |
文学部 | 人間科学科 | 心理学コース | |
京都府立大学 | 公共政策学部 | 福祉社会学科 | |
大阪市立大学 | 文学部 | 人間行動学科 | 心理学コース |
生活科学部 | 人間福祉学科 | 心理臨床コース | |
大阪府立大学 | 現代システム科学域 | 環境システム学類 | 人間環境科学課程 |
慶應義塾大学 | 文学部 | 人文社会学科 | 心理学専攻 |
上智大学 | 総合人間科学部 | 心理学科 | |
早稲田大学 | 文学部 | 文学科 | 心理学コース |
教育学部 | 教育学科 | 教育心理学専修 | |
同志社大学 | 心理学部 | 心理学科 | |
立命館大学 | 総合心理学部 | 総合心理学科 | |
関西大学 | 文学部 | 総合人文学科 | 心理学専修 |
社会学部 | 社会学科 | 心理学専攻 | |
関西学院大学 | 文学部 | 総合心理科学科 | |
社会学部 | 社会学科 | 社会心理学専攻分野 | |
龍谷大学 | 文学部 | 臨床心理学科 | |
近畿大学 | 総合社会学部 | 総合社会学科 | 総合社会学科 |
甲南大学 | 文学部 | 人間科学科 | |
京都女子大学 | 発達教育学部 | 教育学科 | 心理学専攻 |
甲南女子大学 | 人間科学部 | 心理学科 | |
神戸学院大学 | 心理学部※ | 心理学科※ | |
神戸女学院大学 | 人間科学部 | 心理・行動科学科 | |
武庫川女子大学 | 文学部 | 心理・社会福祉学科 |
大学生の声
同志社大学 文学部 国文学科
M・M さん
私は文学部国文学科に所属しています。国文学科では、各学年で設けられている必修科目である演習授業に加え、国文科目である選択必修科目I・一般教養科目である選択科目Ⅱ・外国語科目である選択科目Ⅲから、それぞれ定められた必要単位数に合わせて講義を選択します。国文学科においては、各学年で定められている必修科目は演習授業だけなので、国語科教員免許や図書館司書資格を取りたい人は無理なく資格科目と両立出来ると思います。私は資格課程を履修していませんが、その代わりに商学部や社会学部といった他学部の興味ある講義などを一般教養科目として受講しています。また「副専攻制度」を利用して、文学部内の他学科の科目を本格的に学ぶ人もいます。このように、同志社大学文学部国文学科は、学科に縛られず、個性的な履修を組めることが特徴です。そして、国文学科の肝である演習授業は1年生から順に「日本文学基礎演習」「日本文学研究演習」「演習Ⅰ・Ⅱ(ゼミ)」となっています。演習とは、講義形式の授業とは違い、学生自身が作品について研究した内容を発表し、全員で議論し合う授業です。
1・2年次は、各自指定されたクラスで担当教授のもと、1年生は3人グループ、2年生からは一人での発表形式で、知識と研究方法の基本を学びます。私は入学当初、研究とは何をどうすることか理解していない上、発表にも慣れていなかったので、3人一組で行う基礎演習は、文学研究のさわりとしてとても良い形態だったと思います。2年生までは、クラスを振り分けられるので分野の選択は出来ませんが、3年生のゼミでは卒業論文に向けて、「上代」「中世」「近世」「近現代」「日本語学」の幅広い分野から専攻を選べます。私は近現代文学を専攻しており、毎週、発表者による担当作品を予習してはゼミで議論し合い、作品の考察をしています。また、私の所属するゼミでは、作品の舞台となった場所へ「文学散歩」に出かけたりするなど国文らしさ溢れる活動もしています。特に、近現代文学における研究というのは、作者情報や、作品舞台、登場人物の設定や描写、時代背景などを突きとめることで、一文や単語に隠された作者の意図を発見し、ただ読むだけでは解釈し得ない深みを追及していくことだと思います。さらに、日本文学を読むことで、過去の日本というものに触れ、自分自身の価値観を広げてゆくきっかけとなり得るのではないかと思います。
文学研究に正解はありません。だからこそ「考えること」が大切であり、自分の言葉で伝えることで、見解を共有し、より豊かな解釈を可能にします。国文学とは、教養を育むことのできる学問ではないでしょうか。
奈良女子大学 文学部 人文社会学科
Y・M さん
私は文学部 人文社会学科 社会情報学コースに所属していて、大学の授業の単位認定で取得可能な社会調査士の資格を取りながら、地域情報学について主に学んでいます。
奈良女子大学の文学部の学生は、1回生のうちは学科に所属せず、一般教養以外に社会学や言語、心理など他学科の分野の概論を履修し、基本的な内容を広く学ぶことができます。私はもとから社会学に興味があったのですが、1回生のうちに社会学以外の授業を取ることで視野が広がり、また自分の興味のある分野を再確認できて、社会学を専攻することに自信がつきました。ただ、今は授業や部活、さらに就活が忙しくてなかなか本を読む時間が取れないので、1回生のうちに知識を深めるためにも自分の興味のある分野の本をたくさん読んでおけばよかったと後悔しています。
2回生からは学科に分かれ、より専門的なことを学んでいきます。社会調査士というのは国勢調査のような統計を扱う調査をする資格で、2回生のうちにエクセルを用いた統計のやり方や社会調査のやり方を学び、授業内で実際に簡単な調査をします。2回生後期の地域情報学実習は、社会調査に必要なエクセルを用いた分析方法を学ぶ授業で、今までは使ったことのなかったエクセルの分析ツールを多用し相関係数や重回帰分析、主成分分析などを行いました。内容も難しく課題も多く出る授業だったのでついていくのが大変でしたが、3回生になってからも必要とされる社会調査の分析についての知識を早い段階で学ぶことができてよかったと思います。
3回生になってからは主に地域情報学について学んでいて、前期のゼミでは大和郡山市を対象とした調査を行いました。授業外の時間に何度か現地に足を運び、参考文献を読んで予備知識をつけ、自分でアポを取って市役所や民間団体、事業所にインタビューを行いました。普段社会人の方とお話しする機会がないので緊張しましたし、依頼を断られてしまったり、うまく話を誘導できなくて本来聞きたかったことが聞けなかったりと、調査にはとても苦労しましたが、テーマ選びから調査、分析まで自分で行うことができて、達成感と楽しさを感じました。
4回生からはゼミに所属して卒論を書くことになります。私は地域情報学以外に社会学理論についても興味がでてきているので、どの教授のゼミに所属するか、3回生後期の授業を取りながらじっくり考えました。将来に関しては、同じ社会情報学コースの先輩や3回生で院に進む人はほとんどおらず、公務員か民間に就職する人が多いです。民間への就職を希望している人は、3回生の夏休みはインターンや部活で忙しくなります。
社会人の声
同志社大学 文学部 英文学科 卒業
Y・R さん
私は同志社大学の文学部英文学科を卒業し、関西のテレビ局で働いています。テレビ局には番組制作に携わる制作局、正確・迅速な情報を世の中に発信する報道局、戦略的に視聴率の上がる1日のタイムテーブルを考える編成局、日々の放送業務を事故のないように支える技術局からテレビに出演するアナウンサーまで、多様な職種があります。
その中で私は営業局という部署で働いています。テレビ局の営業というと、一体どんな仕事をしているのかと疑問を持つ方も多いと思いますが、簡単にいうとテレビ番組の間に流れるCMを売っています。民放と呼ばれるNHK以外の放送局はこの広告収入を主な収入源としています。
1年目で営業局に配属されてからは、一つの大手広告代理店と30社程のスポンサー様を担当させて頂いています。2年目から、誰もが聞いた事のあるスポンサーなども任せてもらっており、若手にも活躍の場がどんどん回ってくる職場だと実感しています。テレビCMの仕事は扱う金額も大きく、一回のキャンペーンで何千万円ものお金をお預かりすることもあるので、その分責任も大きく毎日背筋が伸びる思いで仕事をしています。(一つの些細なミスで私の一ヶ月分のお給料なんてすぐに吹っ飛んでしまいます!)日々の業務としては、社内での資料作成や会議、事務的な業務を行い、週に3回程は広告代理店を訪問し、どのようなスポンサーがいつ頃CMを実施するのか、予算がどれくらいあるのかなど情報収集をして回っています。
その他には、配属されてから毎朝欠かさず東京のキー局と関西4局の視聴率をチェックして、一つ一つの番組が先週・先月からどのように変化しているかを書き込み先輩方に配布しています。テレビ局の売り上げは視聴率によって大きく左右されるので、最新の視聴率動向を知っておくことは欠かせません。チェックしていて、最近視聴率が上がってきているなと感じた番組は録画して休みの日に観てみたり、家族にどのような所が面白いと感じたのかを聞く事で、どの層に人気のある番組なのかを調べたりもしています。
ここまでの仕事内容を読んでいただいて少しお気づきかもしれませんが、私の場合は大学時代に勉強したこととは全く異なった仕事をしています。しかし、だからといって大学時代の4年間が無駄だったとは全く思いません。私は大学の自由な校風にも恵まれて、4年間で大学の勉強以外にも海外留学やアルバイト、趣味(アイドルの応援)など、やりたい事を全て謳歌しました。海外留学のおかげで見知らぬ所に一人で乗り込んでいく勇気がつき、社外の方とお話する機会の多い営業という職場でも楽しく仕事が出来ています。時間の無駄だと言われていた趣味さえも、今では初めてお会いした人との話のきっかけになっていて、どんな事でも(スポーツでも勉学でも趣味でも)全力で取り組んだといえる経験が一番大切だと感じました。
皆さんまだ、自分が将来どんな仕事がしたいかわからない、という方も多いと思います。(私も中高生の時はそうでした)学部で迷ってる方は、将来のことはあまり気にせず、単純に興味のある分野を学べばいいのではないでしょうか。もちろん将来こうなりたい!と思って学部を選べるのならそれは素晴らしい事ですが、大学では興味の赴くままに、全力であらゆる事に取り組めばいいと私は思います。やっていて無駄な事など何一つありません。将来どんな仕事についたとしても、大学での経験を生かす場面は必ずあります。なのであまり難しく考えず、今の気持ちを大切にして下さい。この文章が、皆さんの何かのきっかけになれば幸いです。