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法学部ってどんな学部?

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法学部とは、大まかにいうと「法律学」や「政治学」の研究をするところです。また、法学部は《論理的に物事を考える力》や、《批判精神》、《問題解決能力》を養うところであるとも言えます。「法律学」を学ぶ目的は、「ルールを知り、そのルールを運用する能力=リーガルマインド」を身につけることであるとされますが、上記のような能力はこのリーガルマインドを身につけるうえで必要不可欠なものです。
法学部では、法律学・政治学の研究書や裁判所の判決・裁判例を読む機会が多いため、日本語の文章を正確に読みとる力が要求されます。また、判例研究などでは裁判官の下した判決にどこかおかしな点はないのか、その判決は妥当であったのか、という批判的な観点が必要とされ、また、それを養っていきます。常日頃から新聞や書籍などで多くの文章に触れ、その内容を正確に理解しようとすること、鵜呑みにせず論理的に疑ってかかることを習慣づけておくとよいでしょう。

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学系紹介

法学系

法学は、基本六法を中心として国際法や経済法や労働法なども学ぶ法社会学、人の法観念やそれによる法現象を学ぶ法哲学など法とは何かを追求する学問です。他にも、法の解釈や適用方法を学ぶ実定法学も学びます。法学は範囲が非常に広く、通常は自分の専門分野を決めて学習するので、コースまたは専攻を設けている大学が多いです。ただし、近年では法学を学んだ者に対する社会のニーズの多様化に応え、基礎的な法学を習得した後、より細かいコースに分けて専門を深める教育が行われる学科が増えています。法学は法律学の研究書や裁判所の判決・裁判例を読む機会が多いため、日本語の文章を正確に読みとる力が要求されます。

政治学系

政治学は決して政治家の育成を目指すものではなく、政治の歴史や仕組みを学び、社会人として見識を確立するのが学問の目的です。そして、公平公正で維持可能な政治社会を作るために政治学は存在しています。進展する国際化や地方分権化を反映して、国際政治や地方自治について専門的に学ぶ学科が多く見られますが、近年は歴史学中心の政治学ではなく、具体的に立案や意思決定について学ぶ政治系の学科も増加しています。具体的には国連統計や日本及び諸外国の政府統計、調査データを分析する方法を初歩から学ぶ事ができます。また、世論調査の方法やマス・メディアを分析する方法についても習得する事ができます。つまり、政治学科で専門的かつ幅広く学ぶ事を通じて、自分が生きている政治社会の問題を解決する方策を考える「問題処理能力」を身に付けることが重要になります。

政治学が学べる大学

大学 学部 学科・コース
東京大学 法学部 第3類(政治コース)
京都大学 法学部  
京都府立大学 公共政策学部 公共政策学科
大阪市立大学 法学部 法学科
大阪大学 法学部 国際公共政策学科
    法学科
神戸大学 法学部 法律学科
慶應義塾大学 法学部 政治学科
  総合政策学部 総合政策学科
早稲田大学 政治経済学部 政治学科
    国際政治経済学科
京都産業大学 法学部 法政策学科
    法律学科
同志社大学 法学部 政治学科
    政策学科
関西学院大学 法学部 政治学科
立命館大学 政策科学部 政策科学科
  法学部 法学科
関西大学 法学部 法学政治学科
  政策創造学部 政策学科
龍谷大学 政策学部 政策学科
大阪経済大学 経済学部 地域政策学科(公共政策コース)
摂南大学 法学部 法律学科(地域政策コース)
大和大学 政治経済学部 政治行政学科

法曹への道

司法試験に合格してから司法修習生としての研修を終えたのち、裁判官・検察官・弁護士のいずれかの道に進むことになります。司法試験は、法科大学院課程の修了者もしくは司法試験予備試験の合格者を対象に行われます。なお、司法試験の受験は、法科大学院修了後、「5年以内3回まで」という制限がありましたが、平成27年より「5年以内5回まで」に変更されました。
※ 平成18年から平成23年までの制度移行期においては、新司法試験と旧司法試験とが併存していました。その期間には、原則としてどちらか一方の試験を選択して受けなければなりませんでした。旧司法試験は平成22年度で終了しました。

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司法試験予備試験について

法科大学院課程の修了者と同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定することを目的とし、平成23年度から実施されている制度です。試験は、短答式(択一式を含む)及び論文式による筆記並びに口述の方法により、段階的に行われます。これに合格すると新司法試験の受験資格を得ることができます。

法科大学院(ロースクール)について

■法科大学院とは  ~理論と実務の一体化目指す~          
法科大学院とは、米国のロースクールをモデルにした法律家養成のための教育機関で、法理論と実務の架橋を強く意識した教育を目指すものです。少人数・双方向の講義で、厳しい成績評価をパスした学生には、新司法試験の受験資格が与えられます。
修了者の学位は「法務博士-専門職」か「法務博士-専門職学位」が授与されることになります。また、既存の大学院では必須であった研究指導員による専門指導や修士論文の提出義務は基本的にありません。

<法科大学院誕生の背景>

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旧司法試験は『だれもが受けられる開かれた試験』の性質を持つ一方、合格率は数%で一発勝負のため、マニュアル志向の法律家を生んでいるとの批判がありました。法科大学院構想は、法律家の質を確保し、法曹人口の大幅増加を実現する仕組みとして生まれました。

2017年司法試験合格率と2018年法科大学院定員<抜粋>

    法学既修者:大学の法学部を卒業した者であり、法科大学院は2年で修了となる。
    法学未修者:大学で法学部に所属していなかった者であり、法科大学院は3年で修了となる。

順位 種別 法科大学院名 司法試験合格者(2017年) 募集人員(2018年)
受験者数 最終合格 最終合格率 法学既修者 法学未修者 合計
1 国立 京都大法科大学院 222 111 50.00% 125名程度 35名程度 160名
2 国立 一橋大法科大学院 121 60 49.59% 65名程度 20名程度 85名程度
3 国立 東京大法科大学院 271 134 49.45% 165名程度 65名程度 230名程度
4 私立 慶應義塾大法科大学院 317 144 45.43% 170名程度 50名程度 220名程度
5 国立 大阪大法科大学院 162 66 40.74% 55名程度 25名程度 80名
6 国立 神戸大法科大学院 142 55 38.73% 60名程度 20名程度 80名
8 私立 早稲田大法科大学院 347 102 29.39% 140名程度 45名程度 185名程度
9 公立 首都大学東京大法科大学院 115 31 26.96% 42名 10名 52名
10 私立 中央大法科大学院 455 119 26.15% 150名 50名 200名
11 国立 東北大法科大学院 69 18 26.09% 30名程度 20名程度 50名
12 国立 北海道大法科大学院 118 29 24.58% 30名程度 20名程度 50名
13 国立 名古屋大法科大学院 118 28 23.73% 25名程度 25名程度 50名
19 国立 九州大法科大学院 88 17 19.32% 30名 15名 45名
20 私立 関西学院大法科大学院 98 18 18.37% 15名程度 15名程度 30名程度
21 国立 岡山大法科大学院 50 9 18.00% 合計24名
22 私立 同志社大法科大学院 112 20 17.86% 50名 20名 70名
23 公立 大阪市立大法科大学院 76 13 17.11% 20名程度 10名程度 30名程度
27 私立 甲南大法科大学院 39 6 15.38% 13名 7名 20名
29 国立 筑波大法科大学院 72 11 15.28% 合計36名
30 国立 横浜国立大法科大学院 67 10 14.93% 5名程度 20名程度 25名程度
32 国立 千葉大法科大学院 82 11 13.41% 25名 15名 40名
36 私立 立命館大法科大学院 174 21 12.07% 50名程度 20名程度 70名程度
37 私立 明治大法科大学院 257 30 11.67% 30名程度 10名程度 40名程度
38 私立 上智大法科大学院 138 16 11.59% 15名 25名 40名
39 私立 関西大法科大学院 104 12 11.54% 25名程度 25名程度 40名程度
55 私立 法政大法科大学 107 8 7.48% 20名程度 10名程度 30名程度
57 私立 近畿大法科大学 32 2 6.25% 6名程度 14名程度 20名程度
60 国立 広島大法科大学院 50 3 6.00% 合計20名

大学生の声

大阪市立大学 法学部 法学科
S・H さん

私が、今大学で学んでいることとして、民法、刑法などの実体法はもちろんのこと民事訴訟法などの形式法もあります。基本的に回生に関係なく、前述の六法を中心に学んでいきますが、六法以外の法律もありそれに関しては2回生以上で学習します。
1回生の時は、まだ法律についての学び方をよく知らないので、六法の中でも、取り組みやすい憲法、民法の債権各論を法律の勉強の仕方とともに学びます。また、テストでの答案の書き方や採点のポイントなど、大学生の間に使える知識を一気に教えてくれるので、1回生での学習がとても重要になります。
2回生からは、法律の勉強にも慣れている頃なので、少しややこしい刑法や1回生の時に学んだことをさらに応用した民法など、より高度な内容になってきます。基本的な六法以外の法律である倒産法や国際法など自分の興味に合った法律を学んでいく事ができるのも特徴です。
3回生も基本的に2回生の時と同じです。回生を重ねていく過程で、特に重要と感じた事は、先述したとおり、やはり1回生の時に学んだ法律の学習の仕方を身につけたことです。なぜなら、法律の勉強は、高校の時の勉強と全く違います。高校までに身につけた知識が全く要らないわけではありませんが、他の学部と違い高校までの知識では学生間の差は出てこないと思います。むしろ、1回生の時の勉強の量や仕方によって、差が付きます。
私は、将来、公務員の道に進みたいと考えています。なぜ、公務員かと申しますと、所属しているサークルが市民のみなさんとの交流が深い活動をしており、目標を達成すると感じられる達成感や、みなさんからの感謝のお言葉から、これと同じ活動を仕事としてできたらやりがいがある、そのように思ったからです。
今、その目標に向かって、日々勉強をしています。公務員試験には、法律はもちろんのこと、教養や面接もあります。今、取り組んでいることとしては、大学で学んだ法律の復習や今まで受けていない教養の授業を受講したり、面接時に話せるようなネタを作ったりしています。ただ、このような努力をしているうちに大学生としての活動は、もちろんのこと、高校生までの活動もとても重要であると感じてくるようになりました。理由としては、面接のネタ作りに重要な自己実現をする際に、やはりここ数年の事だけでなく、高校生時代、あるいは中学生時代までさかのぼる必要があるからです。なので、高校生の間にも意義のある生活をする方が、将来役に立つと思います。これからの学習が本当に将来に直結するので、がんばっていきたいです。

神戸大学 法学部
K・S さん

神戸大学法学部法律学科では、法学と政治学の両方を学ぶことができます。入学前から両分野に興味があった私は、各分野の学問を学ぶことができて満足しています。
1回生の後期から本格的な法律の授業が始まり、憲法・民法・刑法をはじめとする様々な法律の授業を履修しています。法律の授業は、法律を覚えるのではなく使えるようになることを目的とするものです。抽象的な表現がなされている条文に対して、これまでに起こった具体的な事例ではどのような解釈がなされてきたか、どのような議論がなされてきたのかを学びます。定期試験では、それらの解釈・議論を踏まえて、自分はどのような結論を導き出すのかを記述させる出題が多いです。
私は法曹の仕事(いわゆる裁判官や弁護士など)に就くことは考えていませんが、法律を学ぶことで論理的思考力や公正かつ妥当な価値観を身につけることができ、どのような職業に就いたとしてもあらゆる問題の解決策を導く際に役立つと思います。もちろん法曹界に進む人にとって、このような授業は直接将来の仕事につながるものとなります。
一方で3回生から始まったゼミでは、政治過程論という分野を学んでいます。政治過程論とは、統計などの手法によって政治の行われ方や選挙制度について科学的に分析する学問です。前期のゼミの時間は、政治を分析する方法論を学びました。例えば、トランプ大統領の当選という政治現象一つをとっても様々な原因が推論されているわけですが、それらの原因と選挙結果が実際に因果関係を持ちうるか慎重に考慮したうえで結論を導き出そう、という話です。
これらの方法論を学んだうえで、後期からのゼミでは実際に研究テーマを決めて、一つの政治現象について検証します。メディアと政治の関係性について興味があるのでそのような研究をしようと考えています。
ここまで学んできて実感したことは、法学も政治学も科学であるということです。これらと経済学や経営学をまとめて「社会科学」という表現をすることがありますが、まさにその字の通りです。高校までの社会科の授業からは想像しがたいかもしれませんが、大学では知識や経験を活かして現在発生している問題を解決しようと試みるのがとてもおもしろいです。
最近はこのような法学・政治学の学びを、公務員になって活かそうと考えています。まずは試験に合格するために知識をインプットすることが大切になってきますが、実際に仕事に就いてから求められる力は思考力・想像力・コミュニケーション能力になってくるので、残りの大学生活ではそれらの力をより向上させていきたいと思っています。