社会系学部では、人間と人間との関係を研究し、社会とは何か、を考えていきます。いわば、研究対象は「社会全般」で非常に広範な領域にひろがる学問です。例えば「家族」といった比較的限られた領域はもちろんのこと、都市問題やマスコミ論などさまざまな分野がその対象になります。全てに共通して必要なのは柔軟に考え分析し、把握する力を培うことです。知識を身につけるだけではなく、「フィールドワーク」で“現実に即した調査研究”をすることが重要であり、日頃から鋭く物事をみる感性、問題意識を自ら持つことが必要とされます。自分の手や足、頭を使って得た実地調査で自分の仮説を裏付け、理論としていきます。そのため、比較的行動力が求められているといってよいでしょう。
学部紹介
社会学系
社会学は、人々が作る社会で起きる問題を解明する学問です。人々が作る社会には、家族や友人から作る小さな社会、学校や企業などの集団という社会、異なる文化の人々が作る都市という社会、マス・メディアやインターネットで繋がっている情報社会などがあり、そこでは多種多様な問題が起きています。例えば、人間関係の問題やいじめ問題、環境汚染問題など、社会学ではきりがないほど様々な対象や現象を取り上げています。そして、この問題を解明する際には常識にとらわれない思考が重要になってきます。常識だと思っていることを問いなおすことで、問題解決の糸口を見出すことができます。また、実際に外へ足を運び、観察したり、話を聞いたり、調査をすることで問題解決に導くことも求められます。こうして、社会に起きる問題を解決していくことによって、よりよい社会の現実を目標としているのです。
メディア・マスコミ学系
メディア・マスコミ学系では、人間のコミュニケーションとメディア社会の本質を理解し、その知識を活用する学問です。現代社会では新聞やテレビなど従来のマス・メディアに加え、近年のデジタル化によってインターネットが普及したことにより、メディアの世界は急速に発達しました。なので、メディアは大きな影響力を持っているといえます。そのメディアの影響について考え、人々のつながりや関係性に及ぼす効果を実践的に研究します。また、マスコミ関係の仕事に就くことを目指す人たちもいます。就職先としてマスコミ関係の企業は人気で、大手の新聞社やテレビ局、出版社、広告会社ばかりでなく、IT 系企業など、マスコミに関連する仕事がますます広がり続けています。
産業学系
産業学系では、経済学や商学の研究対象でもある企業活動や経済社会のメカニズム、仕事と人間関係を社会学の視点でとらえ、現代社会への考察を深めていきます。社会と経済の関係を考えることは、社会のしくみを考え、政策を提案するうえで重要となります。中でも、現代の産業社会において観光は重要性を増しており、観光学は近年注目されている学問分野です。観光学は、多様な目的で大量の人々が移動することが前提として成り立つ社会について学び、人間そのものについての理解を深めようとする学問領域です。また、科学技術の発展やグローバル化の進展のもとで現代社会は大きな変容を遂げていて、それに連れて文化現象も大きく変化し、新たな観光形態が誕生します。この文化現象を社会学の視点を中心としてより深く捉えることを目指しています。
主な大学・学部学科一覧
大学 | 学部 | 学科 | 専攻 |
東京大学 | 文学部 | 人文学科 | |
教養学部 | 教養学科 | ||
一橋大学 | 社会学部 | 社会学科 | |
滋賀大学 | 経済学部 | 社会システム学科 | |
京都大学 | 文学部 | 人文学科 | 行動・環境文化学系社会学専修 |
総合人間学部 | 総合人間学科 | 人間科学系 | |
国際文明学系 | |||
大阪大学 | 人間科学部 | 人間科学科 | |
神戸大学 | 文学部 | 人文学科 | 社会学専修 |
奈良女子大学 | 文学部 | 人文社会学科 | 社会情報学コース |
大阪市立大学 | 文学部 | 人間行動学科 | 社会学コース |
大阪府立大学 | 現代システム科学域 | 環境システム学類 | 社会共生科学課程 |
知識情報システム学類 | |||
慶應義塾大学 | 文学部 | 人文社会学科 | 社会学専攻/人間科学専攻 |
総合政策学部 | 総合政策学科 | 社会イノベーション研究領域 | |
上智大学 | 総合人間科学部 | 社会学科 | |
文学部 | 新聞学科 | ||
早稲田大学 | 文学部 | 文学科 | 社会学コース |
文化構想学部 | 文化構想学科 | 社会構築論系 | |
教育学部 | 社会科 | 社会科学専修 | |
社会科学部 | 社会科学科 | ||
同志社大学 | 社会学部 | 社会学科 | |
産業関係学科 | |||
メディア学科 | |||
立命館大学 | 産業社会学部 | 現代社会学科 | |
文学部 | 人文学科地域研究学域 | 地域観光学専攻 | |
関西学院大学 | 社会学部 | 社会学科 | |
総合政策学部 | 総合政策学科 | ||
メディア情報学科 | |||
関西大学 | 社会学部 | 社会学科 | |
総合情報学部 | 総合情報学科 | ||
京都産業大学 | 現代社会学部 | 現代社会学科 | |
龍谷大学 | 社会学部 | 社会学科 | |
近畿大学 | 総合社会学部 | 総合社会学科 | 社会・マスメディア系専攻 |
甲南大学 | 文学部 | 社会学科 | |
京都女子大学 | 現代社会学部 | 現代社会学科 | |
同志社女子大学 | 現代社会学部 | 社会システム学科 | |
大阪経済大学 | 情報社会学部 | 情報社会学科 | |
甲南女子大学 | 人間科学部 | 文化社会学科 | |
文学部 | メディア表現学科 | ||
神戸学院大学 | 現代社会学部 | 現代社会学科 | |
社会防災学科 | |||
神戸女学院大学 | 文学部 | 総合文化学科 | |
武庫川女子大学 | 生活環境学部 | 情報メディア学科 |
★上記は一例です。
大学生の声
関西大学 社会学部 社会学科
A・Y さん
私は社会学科システムデザイン専攻の4回生の時に、経営戦略を主に研究している教授のゼミに入り、日々勉強していました。ゼミでは、さまざまな企業の経営戦略の文献を読んでグループで発表しあっています。また、その教授はある地域を活性化する活動に参加しており、私たち学生も、どうすれば活性化できるのかということを一緒に考えてその活動を手伝わさせてもらったりしています。
ひとくくりに社会学といっても学ぶ内容は教授によってさまざまです。私のゼミの教授は経営戦略を研究していますが、教育や文化、経済、産業、統計、心理学、科学系などの観点から社会学を研究している教授もいます。私の大学の社会学部では2回生の後半にゼミの選択をするので、1回生と2回生の春学期はできる限りいろいろな分野の授業を受けて、自分が何に興味を持っているのかを見つけるといいと思います。その中でも統計やコンピュータースキルの講義は、社会学だけでなく私生活やほかの分野の学習でも役立つ知識なので受講しておいてよかったと感じています。3回生でゼミに入ってからは専門的に研究して、4回生での卒業論文の準備をすることになります。他の学部に比べて必修科目が少なく、学ぶ内容は幅広いので「自分は何に興味があるのか」、「自分は何を学びたいのか」という意識をしっかり持って勉強しないと、漠然としたものになってしまいます。
成績を決めるテストは学期末にある授業が多く、授業によっては中間テストを実施することもあります。テスト範囲が明確に示されることは少なく、講義全体の内容から論述形式で知識を問われるので、単なる暗記だけではなく、内容をしっかり理解する必要があります。また、論理的な文章を書くことも求められます。テストがない授業もあり、その場合は出席点や提出物やレポート点などで成績が決められます。
社会学部の先輩は、カード会社、銀行、商社、教員などさまざまな分野に進まれていますが、私のまわりでは金融関係が多いような気がします。社会学部が学ぶ内容の幅が広いように、就職する企業の業種の幅も社会学部の卒業生は多いと聞きます。私は、専門的に学んでいる事柄を活かせるように、興味があることや学びたいことを意識を持って勉強していこうと思っています。
関西学院大学 社会学部 社会学科
M・Y さん
社会学部って一体何を学ぶことができるところ?と疑問に思う方は多くいらっしゃるかと思います。関西学院大学の社会学部では、広範囲に渡る分野を幅広く学ぶことができます。例えば、広告などのメディアやマスコミ関係、社会心理学、異文化理解、社会学や調査論などが挙げられます。また、関学では、他学部の授業を履修することが可能なので、社会学部では足りない専門知識を深めて勉強することも可能です。社会学と聞くと、難しく考えがちですが、私たちの身近に存在している学問と考えていただければと思います。
まず、1回生の時に必修科目として「入門科目」と呼ばれる授業を受けなければなりません。これは、基礎的な社会学知識を身につけるための講義で、社会学入門という授業では週ごとに講師が変わり、その方の専門研究分野について学ぶことができます。この授業は、自分があまり興味のないことであっても聞いてみることで、新しい発見があり自分の知識の幅を広げることができると思います。
また、2回生時に自分の専門分野を決定する際、どのような講師の方がいるのかを知ることができる場でもあるので、この授業は真剣に受けることをお勧めします。その他にも、「演習科目」と呼ばれる講義の中で、1回生時には、基礎演習という授業があります。これは、文献の読み方や検索の仕方、レポートの書き方を一から教えてくれる授業で、大学生活で勉強する上でためになるものであったと思います。2回生になると、「インターミディエイト演習」といって、ある程度自分の興味にあった分野を複数人で学ぶ授業があります。私は、フランスの移民問題についての演習を受けていたのですが、英語文献を読むことが多く予習が大変でしたが、2ヶ月に一度回ってくるプレゼンで、自分の意見を述べる練習ができました。選択する演習授業によって、授業形態は異なりますが、どの演習でも課題を分析する力がつくと思います。必修授業といえば、関学ではどの学部に入学してもキリスト教学という授業を受けなければなりません。普段は聖書になじみのない方でも、この学びを通して視野を広げることができるようになると思います。ただ、私は、全く知識がなかったのでテスト前に勉強するのには苦労しました。
そして、3回生では、異文化理解や多文化共生についての研究を行いました。もともと、私が外国の文化や語学に興味があったこともあり、異なる文化背景を持つ人がどのようにすれば分かりあい、お互いを尊重して協力できるのかということを学びました。また、授業がある度に、その週にあったニュースを発表しなければならず、強制的に新聞を読む機会があります。大学生になってよく思うことは、本をもっと読まなければいけないということです。私の研究テーマの場合ですが、文献からのデータに基づいた検証を行うことが多いので、高校生の時からもっと本を読む習慣をつけておけばよかったなと思います。
将来は、観光業やエアライン関係などの語学を活かしつつも人と関わることのできる仕事につきたいと思っています。そのためにも、語学の勉強をしっかり行い、国内や世界で起きているニュースに敏感になろうと思います。