芸術系学部は、音楽や映像、絵画や彫刻等の「芸術表現」を追求する学問領域で、情熱や感性といった精神活動を表現し人々に伝えることが主要なテーマです。この領域では技術や知識よりも情緒や感性が重要で、大学での授業は、その部分を磨くものになります。芸術の道は厳しく果てしないので、各人に自助努力に励む気風があるのも特徴です。
美術系 :美術科、美術学科、造形学科etc
工芸・デザイン系:デザイン科、デザイン学科、工芸科、工芸学科、建築学科、写真学科、映像学科etc
音楽系 :音楽学科、演奏学科、声楽学科、器楽学科、音楽教育学科、作曲学科etc
芸術系学際 :芸術学科、文芸学科、芸術文化学科etc
学系紹介
美術系
美術系では、主に絵画・版画・彫刻を取り扱いながら、表現のための理論と技法を学び、芸術への理解を深めます。多彩な手法や素材を用いることによって表現の幅を広げながら、実際に芸術作品を作ることで、自分の芸術のセンスや技術を磨いていきます。自分の中にある美や精神を形にし、それを人に伝えることが最大の目的となります。
具体的な科目には、美術理論や日本美術史、西洋美術史などがあります。「美術理論」は理論や表現の基礎や、それらを科学的に見る力を身につけるもので、「美術史」は過去の人たちの芸術表現に触れて自分の感性を磨くものです。また、「実習科目」では、自分が表現する対象物の見方・構成方法・質感の出し方といった表現方法の基本を習得していき、1人1人がテーマをもって、作品を作ります。
工芸・デザイン系
工芸・デザイン系は、美術の枠を越えて、人間社会において使われる物や表現について、幅広い視野と発想をもって考えていくところです。
・工芸系 … 古典や伝統から多くを学び、自分自身と向き合いながら、制約を取り払って新たな物を創り出していきます。
・デザイン系… 視覚的な表現や、空間の演出、物の機能、映像、環境、描画などについて研究していきます。最近では、バーチャル上でのデジタル表現も活躍してきています。
◎立命館大学 映像学部
近年のデジタル技術の急速な進化に伴い、芸術として、メディアとして、あるいは産業として「映像」の可能性は飛躍的に広がりつつあります。映像学部は、アート、テクノロジー、そしてビジネスを総合するアプローチで映像分野における「プロデュース」能力を育成し、社会の活性化と生活の質の向上につながる映像文化を創造する人材の育成をめざします。
音楽系
音楽系では、音楽理論や演奏・歌唱といった専門分野の表現技法を学んでいきます。音楽にはこれといった形が存在しないので、人間の感性に訴える部分が強くあり、豊かな表現力を必要とするので、技法だけでなく、基礎的学問や一般教養といった科目も学んでいきます。そうすることで、芸術に対する精神的な側面が成長し、思考力と芸術的想像力が養われ、個々の感性や知性が高まります。また、聴覚的な表現である音楽を科学的に研究したり、音楽に関する表現・技法・文化を研究したりします。最近では、音楽プロデュース技法を学ぶ学科や、音楽芸術と環境の関わりから、新しい音楽環境を創造する学科も登場しています。
主要国公立・私立大学学科設置一例
大学 | 美術系 | 工芸・デザイン系 | 音楽系 | その他 |
東京藝術大学 | 絵画、彫刻 | デザイン、工芸 | 作曲、声楽、器楽指揮、邦楽、楽理 | 先端芸術表現 音楽環境創造 |
京都工芸繊維大学 | デザイン経営工学課程 デザイン・建築学課程 | |||
京都市立芸術大学 | 美術 | デザイン、工芸 | 音楽 | 総合芸術 |
大阪芸術大学 | 美術 | デザイン、工芸、写真、建築、映像 | 音楽、演奏 | 文芸、放送、舞台芸術など |
同志社女子大学 | 音楽 | |||
神戸女学院大学 | 音楽 | |||
武庫川女子大学 | 演奏、応用音楽 |